![]() サヤ | さっきお別れ言っといて、すぐ出番なんだ。まあ、出番が増えるのはいいことなんだけどね。それじゃ、まず始めに。 このコーナーは、ネタバレを含みます。 必ず本編を読んでから、お読みください。 と。こんなところでいいかな。 |
![]() カヤ | はい。それじゃ、さっそく本コーナーについての説明ですね。ここでは、本編中に出てきたライズ世界の用語について、私達が楽しく解説していきます。 |
![]() | まずは《異神戦争》についてかな。 |
![]() | この物語の約200年前、異世界より邪神が現れ、人間をはじめとするさまざまな種族を絶滅寸前にまで追い込みました。この世界に元々いた神々は現在邪神と呼ばれているものたちも含めてすでにその力のほとんどを失っていたため、この異世界の神に対抗できませんでした。そんな折、異世界より別の神々が現れ、壮絶な戦いの末この邪神を打ち倒しました。 これが、《異神戦争》の概容です。 |
![]() | ……頭痛くなってきた。次行こ、次。 |
![]() | サヤちゃんってば……なるべく簡単に説明したのに。 |
![]() | カヤだってあたしがこういう小難しい話苦手だって知ってるでしょうが。 (カンペ)……ハイハイ、わかりました。次はエルサディアについてだって。 |
![]() | 戦火の中、人間をはじめとして、ほとんどの種がその文明のほとんどを失っていました。《異神戦争》終結の折、異界の神々――――――異神は、1人の巫女を選び、この世界の神々――――――現神と協力して世界を復興する役目を与えました。さまざまな異世界の知識と不老不死を与えられたその巫女は、人々の生きる道標となるべく、宗教団体「エルサディア教団」を発足させました。エルサディア教団は多神教で、宗教団体とはいっても戒律などに関してはおおらかで――――――まあ、不正には厳しいのですが――――――、他宗教にも寛容です。むしろ才能有る者を集め、復興の手助けをできる人材を育てる教育機関としての側面が強いのが現状です。エルサディア教団の教祖であるその巫女は「皇王」と呼ばれ、皇王の住む、教団が直接統治している国が、皇国と呼ばれています。 |
![]() | (机に突っ伏して)あうー、あうー。 |
![]() | サヤちゃん、もう終わったから。 |
![]() | ……ホント?終わったの? |
![]() | (カンペ)……次は神官戦士と地方布教官について、だって。 |
![]() | う〜。 |
![]() | 神官戦士とは、エルサディア教団で育成された人々の中でも、神聖魔法の使い手――――――神官としての技能と戦士としての技能とを併せ持った人です。 |
![]() | ……それだけ? |
![]() | うん。そして地方布教官というのは、文字通り皇国の領地外での布教活動に勤める役職の事です。 |
![]() | なんだ、わざわざ説明する事でもないんじゃない? |
![]() | ただ、地方布教官は、その性質上戦士としての高い能力と、高度な神聖魔法を使いこなせる実力が必要とされます。 |
![]() | なんで? |
![]() | 皇国から離れた辺境だとどんな危険があるかわからないから。普通は、戦士として優れた人と神官として優れた人がペアを組んではじめて地方布教官として派遣される事が多いみたい。だから、単独で地方布教官として派遣されているセリスさんは、戦士としても神官としてもとても高い実力を持った人ってことになるの。 |
![]() | へ〜。ゾンヴォルグを相手にしてるときの感じはそうでもなかったけど。 |
![]() | 不死者の王クラスだと、英雄クラスの人間が束になってかからないと倒せないくらいなんだもの、仕方ないよ。 |
![]() | そんなもんなんだ。 |
![]() | それと、一口に地方布教官といっても、その役目はかなりあいまいなんです。 |
![]() | どうゆうこと? |
![]() | 地方布教官の使命は、「己の信念と己が信ずる神の意志の元、己が生涯において為すべき事を為せ」ですから。 |
![]() | ??? |
![]() | (サヤちゃんには難しかったかな……) 自分が正しいって思った事なら、その人のする事がどんな事でも――――――例えば人助けでも、怪物退治の旅でも、地方布教官の役目としては正しいの。 |
![]() | ……教団の教えを地方の人に説いて回る、とかじゃないの? |
![]() | それが使命だと思った人はそうします。でも、それ以外に正しいと思ったことがあればそっちをするんじゃないかな? |
![]() | ……ごめん、よくわかんないや。 (カンペ)……次は収魔石についてだって。 |
![]() | 地方布教官などの危険を伴う役職の人には、いくつかの魔法の品が支給されます。セリスさんが持っている魔法の品は、収魔石、ロングソード、退魔の護符の3つです。 |
![]() | あれ?退魔の護符って?それにロングソードも魔法の品だったの? |
![]() | 退魔の護符というのは持っているだけで、本編中で使用された『デストロイ・アンデッド』をはじめとする一部の魔法の効力を高める品です。本編中では特に触れられていませんが、セリスさんは常に携帯しています。そして、セリスさんの使うロングソードは刃毀れ等を自動的に修復する再生能力と魔法許容能力を持った、特別製の兼用剣です。 |
![]() | まほうきょよう?けんようけん?なにそれ。 |
![]() | 魔法許容能力とは、武器を強化するための魔法をかける事ができるようになっているという事です。通常の魔法の品は、さらに魔法をかけたりすることは普通できません。 そして兼用剣と言うのは、片手でも両手でも扱う事ができる剣の事です。 |
![]() | ふ〜ん。 |
![]() | 本題の収魔石ですが、これは持ち主の名前を刻む事で、持ち主の精神力の予備の入れ物となってくれるものです。通常、魔法を使う際には精神力を消耗しますが、あらかじめ収魔石に精神力を蓄えておけば、それを消費する事でも魔法を使用できるようになります。 |
![]() | いくらでも溜めておけるの? |
![]() | (資料を見ながら)いえ、持ち主の精神力の最大値と同じだけってなってます。 |
![]() | なんだか裏設定盛りだくさんって感じ。……次の用語の解説に行こっか。 |
![]() | うん。次は……魔法について。 |
![]() | あたし、魔法ってぜんぜん使えないから知らないや。 |
![]() | ライズ世界には、いくつかの魔法の種類があります。今回登場したのはそのうちの古代語魔法、神聖魔法、契約魔法、そしてセルクさんの使った魔導と終末魔法。 |
![]() | ふむふむ。 |
![]() | まず、古代語魔法と言うのは、《異神戦争》以前の文明で作られたものです。 ルーンと呼ばれる、呪文と魔方陣、そして意識内で展開される魔術式の組み合わせによって発動します。 小さな魔法を複数組み合わせて強力な魔法を発動させたり、時間をかけて複雑な呪文と魔方陣を編み上げたり、ルーンの組み合わせ方を変えて新しい魔法を生み出したりと、術者の力量次第ではとても優れた魔法になります。自由度が高いとも言えますね。 ちなみに《因子》というのは複雑で巨大な魔方陣を描く時に使用される、補助魔法の一種です。 特性としては、無から有を生み出したり、四宝の力を利用する事から、創造魔法と存在魔法の中間にあたるものと言えます。 |
![]() | …………。 |
![]() | 次に神聖魔法。これは、異神たちと現神たちとが協力して作り出した、《領域》と呼ばれるものを利用した魔法です。 《領域》にはさまざまな魔法を発動させるための魔術式が格納されており、使用者は聖音と呼ばれる呪文を通じて《領域》にアクセスし、同じく聖音によるコマンドワードで魔法を発動させます。 術者の力量によって《領域》内のより深い部分にアクセスし、高度な魔法を使う事ができます。 利点としては、術者に高度な知識を必要としないこと、呪文のみで他の動作が不要な事。欠点としては、《領域》にアクセスするための素質を持たない者には、習得すら不可能な事。 特性としては、傷や病気を癒したり、対アンデッド用のものが多かったりと、他の魔法に比べてかなり特殊なものと言えます。 |
![]() | …………。 |
![]() | 契約魔法は神聖魔法の上位に当たり、基本的には同じものです。現神の一柱と契約を交わすことで使用できます。ただし、神官一人が結ぶことができる契約は一つが限界で、契約一つにつき一つの契約魔法しか使う事ができません。また、契約した神の教えを実践する事が、契約を結ぶための最低条件となります。もっとも、その効果はそんな欠点を補って余りあるぐらいに強力です。おそらく、攻撃魔法として使うならば、人間に使用できるものの内では最強クラスではないでしょうか。 …………サヤちゃん? |
![]() | ……zzz。 |
![]() | サヤちゃん、起きて(汗) |
![]() | ……ぐ〜。 |
![]() | サヤちゃんってば〜、起きて〜。 |
![]() | …………あれ、もう話終わった? |
![]() | サヤちゃん、お話の途中で寝ちゃダメだよ〜。 |
![]() | ごめん……こういう話苦手……。 |
![]() | もう少しだから、がんばって。 |
![]() | 努力はする……。 |
![]() | もう……。では次に、魔導。これは、他の魔法とはかなり異色なものです。ヴァンパイアやドラゴンのように、生来強い魔力を持った種族が本能的に使う、魔力を直接なんらかの力に変換するものの事です。 |
![]() | 本能的? |
![]() | 私たちの行動に例えると、走るとか、物を掴むとか、そういったあたりまえのレベルで扱うことができるの。後天的に習得する事がほぼ不可能なかわりに、複雑な手段が一切必要ないから、ある意味では最強の魔法と言えるかもしれません。 |
![]() | む〜。頭痛がしてきた……。 |
![]() | 最後に、終末魔法。実は、これについてはよくわからないことが多いんです。作者さんからもらった資料には、「エンジェルが創造魔法、ドラゴンが存在魔法、ヴァンパイアが終末魔法を扱う。詳細は秘密」としか書いてありません。 |
![]() | 作者が考えてないだけじゃないの? (カンペ:ちゃんと考えてあります) ……口ではなんとでも言えるわよね。 |
![]() | サヤちゃんってば(汗) |
![]() | あたしはこういう役どころなんだから、いいんじゃない? (カンペ)あ、次で終わりだって。 |
![]() | 最後は、ヴァンパイアについてですね。 本編中でもかなり詳しく解説されているとは思いますが、少しだけおさらいと、本編中で触れられなかった事についての解説をしましょう。 |
![]() | ヴァンパイアって、アンデッドのやつとそうじゃないのがいるんだよね? |
![]() | 正確には、ノーブル・ヴァンパイアのほうが歴史は長いの。確認されている中では、4000年以上昔の事を覚えていたヴァンパイアがいるとか。 |
![]() | よんせんねん……。 |
![]() | それに比べてアンデッドとしてのヴァンパイアは、文献上で最初に確認されたのが2000年くらい昔だから。 |
![]() | それでも、十分長いって。 |
![]() | ノーブル・ヴァンパイアとアンデッド・ヴァンパイアの最大の違いは、生き物であるか否か、ということ。そしてもう一つ、どのようにして同族、あるいは子孫を増やしていくか、と言う事でしょうか。 |
![]() | アンデッドのほうは、血を吸った相手をレッサーヴァンパイアにしちゃうんだっけ。 |
![]() | うん。正確には、血を吸われて死んだ相手は、だけど。その時に特殊な儀式を行う事で、上位種である、グレーター・ヴァンパイアになる事もあるらしいの。 |
![]() | カフカがそのグレーターヴァンパイアなわけね。 |
![]() | うん。そして、ゾンヴォルグはさらにその上、アーク・ヴァンパイア。別名、不死者の王と呼ばれているの。生まれは特殊だけど、基本的には下位種と性質は一緒。ここまでが、アンデッド・ヴァンパイア。 それに対して、ノーブル・ヴァンパイアの場合、血を吸われても特に影響は無いの。 |
![]() | そうなの? |
![]() | たくさん吸われたら貧血になるかもしれないけど、それ以外には本当になんの影響もないんだよ。 |
![]() | へえ。そっか、血を吸われても大丈夫なんだ。 |
![]() | うん。アンデッドのそれみたいに、血を吸った相手を同族にしてしまうような力は無いの。ノーブルヴァンパイアが子孫を増やす方法は、私たちのそれと同じなんだって。 |
![]() | ……ふ〜ん、それじゃ良くわかんないな。詳しく説明してみ?(意地悪く) |
![]() | …………。(赤くなっている) |
![]() | ほれほれ、黙っててもわかんないよ〜? |
![]() | (真っ赤になって)サヤちゃん、意地悪しないで〜。 |
![]() | あはは、カヤってホント、この手の話には弱いよね〜。 |
![]() | もう……。 本編中ではセルクさんがこのノーブル・ヴァンパイアにあたるわけですが、ノーブル・ヴァンパイアは自らを示すものとして、貴族階級を元にした称号を用います。階級による優劣はありません。ただ、階級が上とされる者ほど、世界にとって重要な事態に関わる可能性が高いらしいです。また、ある階級だけは特殊な役割を持っているそうです。 |
![]() | そうなの? |
![]() | (資料を見ながら)そう……らしいけど……。 |
![]() | アテになるの?その資料。 |
![]() | 大丈夫……だと思う。 とりあえず、今回はここまでみたいです。 |
![]() | ふ〜、やっと終わった〜。 |
![]() | このコーナーでは、皆さんからの質問を募集しています。お便りは、メールフォームから、または作者さんに直接メールでお願いしますね。 では、また次回、お会いしましょう。 |
![]() | それじゃ、またね〜。バイバ〜イ。 |
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