第3章 魔獣


この世界とは違う世界。何処とも知れぬ異界からやってくる、エーテルに近しい存在。
この世界の生物とは根本から異なるそれを、魔獣と呼びます。
魔獣はより強大な力を求め、エーテルに干渉する力を持つ者を捕食します。
それ故、魔獣にとって能力者は良質な餌となります。
また、活発な精神活動           特に、恐怖や憎悪といった強い感情も好みます。
つまり、能力者に限らず人間のように知性の高い生物は魔獣の餌となりえるのです。
同時に、別種の魔獣同士も互いを餌であり天敵としています。
能力者は自衛のため(あるいは正義感によるもの、復讐のためなど理由は様々でしょう)、魔獣の駆除を行っています。

魔獣の肉体はこちら側の物質を基に作られており、物質同士はエーテルの力で結合されています。
そのため、通常の物理攻撃に対し非常に強い耐性を持ちます。
(通常兵器ではエーテルに干渉できず、魔獣の肉体を構成する物質間の結合を破壊できないためです)
魔獣は基本的に夜行性です。これは捕食のしやすさのためと、有害な紫外線に長時間さらされる事を嫌うためだと言われています。

一説では、魔獣は宿主を持たない能力そのものでは無いかとも言われています。

第4章 エーテル


世界に満ちる、不思議なエネルギー。
現在知られている物理的な力には一切干渉を受けず、エーテルそのものや精神の働きにのみ干渉を受けるという性質を持ちます。
自然な状態ではまったく何の働きも無い安定した存在ですが、
エーテルコアの働きによって自在に変質し、一方的に物理法則に対し干渉することができます。
あまり詳しい事はわかっておらず、現在も研究が進められています。
(とはいえ、通常の観測機器は意味をなさないので研究は非常に困難ですが・・・)

エーテルで構成された存在は、同様の存在でしか破壊する事ができません。

第5章 エーテルコア


能力の源であり、魔獣の心臓部。
それが、エーテルコアです。
高密度のエーテルの結晶体であり、宿主の意思に応じて周囲のエーテルを変質させる力を持ちます。
通常、その能力者にとって最も重要な器官(能力者毎に違いますが、だいたいは心臓か脳でしょう)に存在します。
複数の能力を持つ能力者の場合エーテルコアも同数存在しますが、大抵は1箇所に固まっています。
独立機動型能力者の場合に限り、能力者自身ではなく、能力によって具現化した擬似魔獣のコアとして使用されています。

コアを失った能力者は永久に能力を失います。多くの場合、コアの破壊の際に受けた傷が元で死に至るでしょう。
魔獣であれば完全に消滅します。
ただし、コアはエーテルそのものであるため、能力を持たない者には触れる事すらできません。
もちろん一切の(能力を介さない)物理的な攻撃は無力です。
また、エーテルの干渉に対する強い耐性も持っているため、非常に頑強です。
そのため、エーテルコアを直接破壊できるのは非常に強力な能力を持ったごく一握りの能力者だけです。
ただし、間接的に破壊する方法は存在します。
エーテルコアはすなわちエーテルそのものであるため、自身に干渉できる存在からの強い概念に引きずられやすいという性質があります。
本来は宿主の精神活動           言うなれば「生きる意思」に支えられていますが、
宿主の肉体が破壊される事による「死の概念」によって連鎖崩壊を起こしてしまうのです。
宿主である能力者(魔獣であればその肉体)を完全に死に至らしめるほどに破壊できれば、コアは崩壊します。

エーテルコアは成長する事はありません。
能力者にとって自身の能力を高めるということは、より効率良くエーテルコアの力を引き出せるようにすることです。
しかし、他のエーテルコアを吸収し、力を増す方法は存在します。これは通常の能力者にとっては外法とされています。なぜならその方法とは魔獣や能力者の肉体ごと自分の中にエーテルコアを取り込む           「食う」ことだからです。



第1章 能力者
第2章 能力
第3章 魔獣
第4章 エーテル
第5章 エーテルコア
第6章 組織
第7章 クラスとチーム
第8章 ゲート
第9章 アーム
第10章 再生
目次